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《# PR》
H1800×W4200mm
ぬいぐるみ
2025
本作は、鑑賞者が展示空間からぬいぐるみを持ち帰ることができる参加型のプロジェクトである。用いられているぬいぐるみは、
私が過去にゲームセンター企業とコラボレーションし、クレーンゲームの PR 動画を制作した際に獲得した景品であり、
すなわち広告行為の内部で流通していたモノである。
近年、広告と日常の境界は急速に曖昧化している。日本では 2023 年 10 月 1 日より景品表示法の運用が改正され、
広告であることを隠した「ステルスマーケティング」が不当表示として明確に規制対象となった。またアメリカにおいても、
FTC(連邦取引委員会)のガイドラインにより、インフルエンサーが報酬や提供品を受け取っている場合、その事実を明示することが法的ルールとして定められている。本作において鑑賞者は、ぬいぐるみを受け取る代わりに、自身の SNS に「#PR」を付けて投稿するという行為を求めた。
ここで成立するのは、作家と鑑賞者、企業、SNS プラットフォーム、そして広告制度そのものを横断する関係の網目である。
ぬいぐるみは単なる物質ではなく、贈与・交換・義務・可視化といった社会的関係を媒介する装置として機能した。本作は、消費者と広告のあいだに存在する不可視な契約関係を、参加と行為を通じて露呈させるものであり、鑑賞者自身がその関係性の一部として組み込まれる状況を提示する。関係性の美学の視点から、本作は完成されたオブジェではなく、
社会制度の中で生成され続ける関係そのものを彫刻的に立ち上げる試みである。
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