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《鑑賞ー温泉》

H1350 × W1000 × D1000mm

温泉水・箱根湯本ホテル旧本館の瓦礫・ガラス・木・鉄パイプ・etc

2021

作品内部に設置した水槽にはここ箱根湯本ホテルの温泉水が入っている。中心に半分を水中に浸かるかたちで積み上げられた透明なガラスの正方形は、《オブジェクト》同様、旧本館から拾ったもので組まれている。

透明な水槽に張られた透明な温泉水と、その中心に組まれた瓦礫の透明なガラスは、それらを支える緑の構造物を乱反射させている。台座と蓋を含め、緑の CUBE で構成しているのは、《GREEN CUBE》同様、ここではないどこかをここに投影する機能を意識している。

外部の形態である緑の部分を 90 × 90 × 90cm の正方形に見せるため作品の下の部分にはステンレスの板を張り込んだ。

この作品は 《中間地点》と対になっている。《中間地点》は今空き地となっている旧本館で制作しているのだが、そこには新本館の建設予定がある(現在コロナ禍の影響で建設予定自体中断されている)。グリーンは未だ実現していない未来を織り込み、過去と未来を行き来できる中間地点、想像力を誘う場を表している。また、本来そこに浸かって体の疲れを癒し、気分をリフレッシュさせる温泉水を、視覚での鑑賞の対象にすること、加えて、入れ替わり続けているはずの温泉水をろ過機で循環させていることは、8.《中間地点》と深く関係する。

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